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崖っぷち銀行員が語る近くて遠い銀行融資とお金の話

銀行融資やお金に関する記事を書いていきます。

運転資金とは??

 銀行融資を受ける際におそらく最も多い資金使途が運転資金だと思います。今回は、銀行員から見た運転資金について解説したいと思います。

 

①そもそも運転資金とは??

 運転資金とは、「会社や事業を経営する上で必要な資金」とのこと。私自身、銀行に入った当時は、なんだかフワッとしていて具体的にイメージしにくいなと感じました。

 何故なら、「会社によって必要な資金というのはその会社の人しか分からないはずだ」と思っていたからです。では、銀行はどのように運転資金を考えているのかを解説したいと思います(一部会計の用語も入ります)。

 

 

②運転資金の金額の計り方

 個人的には、お金(資金)がどうなっているのかを軸に考えるとイメージし易くなりました。

 

 通常、商品の売買をしている会社では、まず最初に商品を仕入れ、在庫として保管し、その後商品をお客さんへ販売するというのが基本的な流れになります。

 商品を仕入れた際に買掛金や支払手形などの仕入債務が発生します。仕入債務が発生してから、支払いまでの期間は、数日から数ヶ月など様々ですが、期間が長ければ長いほどその間手元資金を他に使うことができるため、有利になります。

 一方で、在庫として商品(棚卸資産)を保管している間や商品販売後の売掛金受取手形などの売上債権が発生している間は、資金を他に使うことができないため、期間が長ければ長いほど不利になります。

 

つまり、

正常な運転資金=売上債権+棚卸資産仕入債務という式になります。

 

 おそらくまだイメージがしにくいと思いますので、例を挙げてみます。商品を80円で仕入(1ヶ月後に支払う)したものの、商品がすぐに売れず、仕入から2ヶ月後に売れた(商品を売ってから2ヶ月後に代金を貰える)という場合、仕入の時に払った80円は、支払いから3ヶ月後の売上代金の回収まで手元に返ってこないことになります。

 

 この資金を融資するのが運転資金ということです。そのため、企業の商いの規模によって運転資金の額は大きく変わります。また、業種によって、販売・仕入形態が違うため必要な運転資金は様々です。

 

 ただ一般的に3ヶ月分の売上が妥当だと言われます。そのため、運転資金という名目で年商分の借入はなかなか難しいということになります。

 

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