融資相談にあたって②
前回は融資相談にあたり持ち込む書類や相談内容について記載しましたが、今回は融資相談にあたり銀行員から聞かれやすいことを紹介したいと思います。新規取引であることを想定しています。なお、決算書から読み取れる内容については割愛致します。
①会社について
1.事業内容
融資判断や決算書を読み解くのに前提となる情報なので、必ず聞かれるかと思います。
2.社員数
大体の事業規模の把握のためヒアリングします。また、人件費等のイメージもつきやすくなるからです。
3.設備の内容(事務所、工場等)
会社の本社や製造業なら工場の場所も取引の上では、必要なので聞かれます。また、それらの設備が自社所有なのか、賃貸なのかも聞かれると思います(決算書の付属明細に記載あり)。
4.会社の沿革(設立の経緯)
会社設立の経緯から現在に至るまでの会社の歴史についても考慮しています(長年事業を続けている会社の方がやはり安心感はあります)。
5.役員構成について
家族が役員にいるのか、従業員からの生え抜きなのか等の情報は経営の意思決定にも関わるのでヒアリングされます。
6.許認可について
許認可が必要な業種であるか確認しています。また、保証協会付融資の際には写しの提出を求められることもあります。
7.銀行取引状況(金利、返済条件等)
ここが1番気になるところです。金利などは、融資を考える上で、参考にするところなので必ず聞かれるかと思います。
8.(既存取引銀行がある場合)なぜ当行に相談に来たのか??
通常、既存取引銀行に相談するべきところをなぜ当行に相談しに来たのかを知るための質問です(既存取引銀行とトラブルがあったのかと邪推してしまいます)。
9.経理担当者について
経理の担当は誰がしているのかは、今後交渉の相手が経理担当者になるか、代表者へ直接交渉となるかに関わるので、ヒアリングします。
10.会社の強み・弱み(課題)
銀行内部で会議などをする際に、強みがある方が担当者も押しやすいです。また、課題があるなら、解決のための提案もできるかもしれないです。
11.株主構成
通常は、代表者や家族が株式を所有していることがほとんどですが、偶に外部の人が所有していることもあるため質問しています。
12.販売先・仕入先について
販売先・仕入先との関係も今後会社が安定して事業を続けていけるかに関わることなので、ヒアリングしています。
②代表者について
1.代表者について(経歴も)
上記の設立の経緯とも重なりますが、代表者自身が業界についてどれだけ理解しているかを知る上で大切な質問です。また年齢なども聞かれるかと思います。
2.家族構成
株主構成や役員構成と重複しますが、家族がどれほど経営に参加しているのか、代表者に万が一のことがあった際に後継者がいるのかを確認するための質問です。
3.自宅について
特に自宅に押しかけるわけではないですが、代表者のことを知る上での質問です。住宅ローンがあるかどうかなどは聞かれると思います。
※上記は最低限、聞かれるかと思います。その他は会社や状況によって変わるため、割愛させていただきます。