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崖っぷち銀行員が語る近くて遠い銀行融資とお金の話

銀行融資やお金に関する記事を書いていきます。

手形割引も廃止??

 企業が取引の決済に使用する約束手形の利用を2026年までに停止するよう検討しているらしいです。大企業にネットバンキングなどの振り込みを推奨しているとのことですが、銀行にとっても一つの大きな動きになりそうです。銀行員目線で気になったことをまとめてみました。

 

①手形割引はどうなる??

 現在、銀行では企業が取引先から受け取った約束手形(支払い期日にお金を受け取ることができるチケットのようなもの)を担保に資金を融資する手形割引という融資を行ってます。

 

 手形割引は、融資を受ける側からすると、本来数ヶ月後に受け取るはずのお金を先に受け取ることができるため、資金のやりくりをする上で非常に有効な手段(しかし、金利は発生します)です。銀行側からしたら、通常の運転資金などの融資が難しいと感じている先であっても手形の支払い企業が大手企業などの優良先であれば、手形割引を取り組むことが多いため、今後は資金調達に困る企業が出てくるかもしれません。

 

 一方で、今現在は取組企業が少ないでんさい割引(手形割引の電子版)は利用が増える可能性がありますね。

 

 

②手形の商習慣

 手形は手形(紙)でのやりとりであり、不便な習慣であると感じるものの、残すべき文化だと思います。個人的に一つ面白いと感じた習慣があります。「○○鉄工所」という企業名があった場合、会社によっては「鉄」という漢字は「お金を失う」と書き、縁起が悪いため、「○○鉃工所」と表記する場合があるみたいです。

 

 

③下請企業が厳しくなる??

 手形によって一定の決済の秩序が守られてきましたが、今後手形が無くなることで元請に有利な条件で取引が進められるのではないかと心配になります。一方で、2024年までに手形の期限を120日以内から60日以内に短縮することも検討しているようですので、採決されたら資金繰りが良化する企業も出てきそうです。

 

※まだまだ検討段階のようですが、今後の状況に注目したいです。

 

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